タイトルにしてみましたが、この質問、お客様からよくいただきます。
「家は火と水に弱いから、それらを避ける意味を込めて…と言われています。本当かどうかわかりませんが」
こう答えると、ほとんどの人が「へ〜、なるほど!」と心から納得したという反応を見せます。
ただ、これは国交省や不動産協会が正式に発表したものではなく、私もこの業界に入ってからどこかの誰かがこのように言っていたのを聞いたことがあるというだけです。
不動産屋として10年以上働いていますが、実際のところ、火曜・水曜が定休日である本当の理由は、私もわかりません。どなたかご存じの方がいらっしゃれば、教えてください。
今回は、冒頭で挙げたような、不動産にまつわるエトセトラを、思いつくままにご紹介したいと思います。
■日本とアメリカの住宅の建物寿命はかなり差がある
建物寿命とは、「建物が実際に存在した年数」のことですが、日本の建物の寿命は平均で約30年といわれているのに対し、アメリカの建物の寿命は平均でなんと「約70年」といわれています。
建物寿命とは別に、『耐用年数(利用に耐えうる年数)』というものが定められていますが、日本では、木造住宅の耐用年数は22年とされています。このため、古くから日本では築年数の経過した中古住宅の価値はほとんど認められていません。一方アメリカでは中古住宅の人気は高く、DIY(自分自身で作ったり修繕したりすること)によって建物の価値を高めるという文化が根付いており、築100年という住宅も珍しくありません。
築34年の中古戸建に住んでいる筆者としては、是非アメリカの文化が日本にも浸透してほしいなと、切実に思っています。
■不動産営業マンは、街を歩いているだけで違反建築が大体わかってしまう
建物が建つ条件の代表的なものとして、敷地が道路と接している(基本的には2m以上)ことが挙げられます。この、いわゆる接道条件を満たしていない敷地に建築されている建物は、違反建築となってしまうのですが、ある程度経験を積んだ不動産営業マンは、この類の違反建築にすぐに気がつきます。
火曜水曜の休みの日、プライベートで街を歩いていても、この類の不動産には気がついてしまいます。
接道条件以外にも、地域ごとに、敷地に対して建築できる建物の大きさが定められているのですが、それを超えてしまっているタイプの違反建築も、気がつきます。意識せずとも、まるでドラゴンボールのスカウターのごとく反応してしまいます。
はい、ほぼ職業病レベルです。
■部屋なのに部屋じゃない?
夢なのに、夢じゃなかった!というほどに驚くことも、不動産の世界にはあります。
一見、どこからどう見ても普通の洋室なのに、間取り図の表記上では「納戸」となっていることがあります。
お客様「…納戸?え、収納っていうこと?でも実際見てみると広さも6帖くらいあるし。洋室と何が違うの?」
はい、建築基準法で定められている採光基準(日照の入る量の基準)に満たない場合に、洋室という表記が認められず、納戸という表記になります。ほとんどの人が入居したあとは部屋として利用していますが。
そんな、使う分には何も問題ない納戸ですが、過去に、LDK以外すべて納戸という戸建に遭遇したことがあります。この物件も、住むにあたっては至って普通の戸建です。ただ、販売するにあたってインターネット広告を出すときに、間取りを表記する際、納戸は部屋としてのカウントができないため、
3LDKではなく、「LDK+3納戸」として掲載しなくてはならず、お客様の検索になかなかヒットしないという苦労がありました。ただ、あくまで表記上だけの問題であって「現物は普通の3LDKの戸建て」だったので、結果的には無事に、良い買主様に購入いただきました。
■末尾80万円が多い?
中古物件市場においては、不動産の所有者が売出金額を決めるのですが、市場の物件の約7〜8割は末尾10万円の桁が「〜80万円」に設定されています(2,980万円、5,480万円、7,580万円など…)。不動産とは関係ないですが、スーパーや八百屋でも198円とか88円とか、やたら8という数字が使われることが多いですよね。「八」は末広がりなんて言われ、日本人に好まれる数字のようです。
■ピサの斜塔、ただの欠陥住宅
全人類のあいだで有名な建築物であるピサの斜塔は、地盤の不動沈下が原因で傾斜しており、傾斜が計算されて設計されていたわけではありません。このことを知った時、筆者は考えました。床が傾いている物件をお客様に紹介する際の営業トークを…。
「ピサの斜塔も、建物が傾いたからこそ、ここまで有名になりましたからね。この物件の傾きも、そういう意味で価値があるかもしれません」
はい、さすがに無理がありますね。
■ヨーロッパでは北向きの部屋が人気
日本では、マンションだったら「バルコニー南向き」、戸建てなら「南側道路」に人気が集まる傾向にありますよね。陽当たりがいい、ということが大きな理由です。ですが、ヨーロッパでいちばん人気があるのは、「北向き」の部屋だそうです。理由は、家具やフローリング、本などが傷まないから。
「南向きじゃないと洗濯物の乾きがよくないのでは…」と心配する人もいますが、最近では乾燥機能付きの洗濯機も普及していますし、日本では南向きと比べて価格的にも割安になる北向きの部屋は、案外、これから狙い目かもしれません(きらーん)。
ということで、今回は不動産の雑学をご紹介しました。いかがだったでしょうか。ちょっと海外ネタが多くなってしまいましたが、国によって住まいに対する考え方が大きく異なるのも、なんか面白いですよね。
また機会があればお届けしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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